
札幌出張に訪れたなら、絶対に外せないグルメの一つが「スープカレー」ですよね。街を歩けば、いたるところにスープカレー専門店があり、それぞれのお店が個性豊かなスープと具材でしのぎを削っています。どこを選べばいいか迷ってしまうほどですが、今回は「地元の方にも愛される有名店」という情報を聞きつけ、とあるスープカレー店を訪れました。
お店に入ると、すでにスパイスの芳醇な香りが食欲をそそります。店内は活気がありながらも、どこか落ち着いた雰囲気で、一人でも入りやすいのが嬉しいところ。メニューを開くと、定番のチキンや野菜カレーから、趣向を凝らしたオリジナルメニューまで、様々な選択肢が並んでいます。
悩んだ末に私が選んだのは、お店の看板メニューでもあるチキンと野菜のスープカレー。そして、辛さやライスの量を選び、いざ注文。待つこと数分、目の前に運ばれてきたのは、見るからに食欲をそそる一皿でした。
大きな器にたっぷり注がれたスープは、深い琥珀色。その中には、ホロホロに煮込まれた大きなチキンレッグ、彩り豊かな素揚げ野菜(ブロッコリー、にんじん、ピーマンなど)がゴロゴロと入っています。そして、ターメリックライスが添えられた別皿も添えられており、レモンのスライスが爽やかなアクセントを加えています。
まずは、熱々のスープを一口。
その瞬間に感じたのは、「ああ、これだ!」という、まるで故郷に帰ってきたかのような安堵感でした。一般的なカレーとは異なり、とろみがなくサラサラとしたスープは、口当たりがとても滑らか。そして、スパイスの芳醇な香りが広がるのと同時に、日本人なら誰もがホッとする、昆布の優しい出汁の風味がじんわりと染み渡るのです。
いわゆる「和風出汁」の旨みがベースになっているため、スパイスの複雑な香りと見事に調和し、どこか懐かしさを感じる、深みのある味わいを生み出しています。これこそが、札幌スープカレーの奥深さなのだと感動しました。
次に、メインのチキンレッグを崩して一口。スプーンで軽く触れるだけでホロホロと身が崩れるほど柔らかく煮込まれており、口に入れると鶏肉の旨みがスープと絡み合い、とろけるような美味しさです。じっくり煮込まれた野菜も、素材本来の甘みが引き出され、スープとの相性も抜群。特に、素揚げされたブロッコリーや人参は、香ばしさと共に野菜の甘みが凝縮されていて、食べ応えも十分です。
ターメリックライスは、そのまま食べても美味しいですが、スープに浸して食べるのがスープカレー流。ご飯にスープを吸わせて口に運ぶと、スパイスの効いたスープの味がご飯一粒一粒に染み込み、さらに深い味わいを楽しむことができます。途中でレモンを絞ると、爽やかな酸味が加わり、また違った表情を見せてくれるのも面白いところです。
札幌市内には数えきれないほどのスープカレー店がありますが、このお店のスープカレーは、まさに「日本人が心から美味しいと感じる」一杯だと感じました。スパイスの奥深さだけでなく、和の出汁が持つ「懐かしさ」や「安心感」が、絶妙なバランスで共存しているのです。
この一杯で、札幌出張の疲れも吹き飛んだような気がします。心も体も温まり、明日への活力が湧いてくるのを感じました。札幌を訪れた際には、ぜひ一度、この昆布出汁が効いた懐かしい味わいのスープカレーを体験してみてください。きっと、あなたにとっても忘れられない一皿になるはずです。