
長期の札幌出張が、いよいよ今日からスタートしました。初日は移動と挨拶回りで、あっという間に過ぎ去り、夜は取引先との大切な会食。美味しい料理と和やかな会話で、幸先の良いスタートを切ることができました。ホテルに戻る道中、日中の疲れと、会食で満たされたお腹にもかかわらず、なぜかもう一軒立ち寄りたい衝動に駆られました。
札幌の夜の街を歩いていると、どこからともなく漂ってくる、あの魅惑的な香り…そう、ラーメンの誘惑です。ついつい吸い寄せられるように、一軒のラーメン店に足を踏み入れてしまいました。店内は活気に満ちており、すでに多くのお客さんで賑わっています。これは期待できる!
メニューを眺め、定番の味噌ラーメンにするか迷いましたが、ふと目に飛び込んできた「辛子ネギ味噌ラーメン」の文字に、私の心は決まりました。会食で刺激が少なかった分、ここでガツンとくるインパクトを求めていたのかもしれません。
注文して待つこと数分。目の前に運ばれてきたのは、想像をはるかに超える、迫力満点の一杯でした!
黒い器になみなみと注がれた味噌スープは、見るからに濃厚な色合い。そして何よりも目を引くのは、山のように盛られた真っ赤な辛子ネギです。その鮮烈な色合いは、まるで「さあ、かかってこい!」と言わんばかりの存在感を放っています。さらに、スープの表面には、細かな背脂でしょうか、キラキラと輝く油の粒が浮いており、見るからにパワフル。これは、相当なパンチがありそうだ…と、食べる前から心拍数が上がります。
まずは、レンゲでスープを一口。
「うん…!これは、まさにガツンと来る!」
一口飲んだ瞬間に、味噌の濃厚なコクと香りが口いっぱいに広がり、その後に続く、ピリッとした辛みが舌を刺激します。ただ辛いだけでなく、味噌本来の深みのある旨みがしっかりと土台を支えており、まさに「旨辛」の極み。日中の疲れも、会食で少々落ち着いていた五感も、この一杯で一気に覚醒させられるような衝撃でした。札幌味噌ラーメンの力強さを改めて実感します。
次に、このラーメンの主役ともいえる辛子ネギを絡めて麺をすすります。シャキシャキとしたネギの食感が心地よく、辛子と味噌スープが絡み合うことで、さらに味に奥行きが生まれます。辛子ネギのシャープな辛さが、濃厚な味噌スープの旨みを一層引き立て、箸が止まらなくなります。
麺は、札幌ラーメンならではの、コシのある中太ちぢれ麺。濃厚なスープがしっかりと麺に絡みつき、一口すするごとに、スープの旨みと辛子ネギのパンチが口の中に押し寄せてきます。食べ進めるごとに、体の芯からポカポカと温まってくるのを感じ、じんわりと汗が滲み出てきました。この感覚が、たまらなく気持ちいい。
ラーメンの中には、柔らかく煮込まれたチャーシューや、メンマなども入っており、それぞれの具材が、このパワフルなスープの中で最高の存在感を放っています。特に、味噌の濃厚さを受け止めるチャーシューは、その旨みが際立っていました。
会食後だというのに、気がつけばスープまでほとんど飲み干していました。それほどまでに、この辛子ネギ味噌ラーメンは、私の心を掴んで離さない魅力に溢れていました。仕事の疲れを吹き飛ばし、明日への活力をチャージしてくれる、まさに「ご褒美」のような一杯。
札幌の夜に、こんなにも刺激的で美味しいラーメンに出会えるとは。出張の初日から、忘れられない食体験ができました。次に札幌を訪れる際も、必ずこの「ガツンと来る」辛子ネギ味噌ラーメンを食べに立ち寄りたいと心に誓った、そんな初日の夜でした。