いよいよ、今日から札幌への出張が始まります。長期の出張となるため、気合も入りますが、その前にしっかりと腹ごしらえをしておきたいもの。フライト前に、羽田空港のターミナル内にあるお寿司屋さんへ立ち寄るのが、私の密かなルーティンになっています。
旅の始まりを告げる空港の喧騒の中、一歩お店に足を踏み入れると、そこは落ち着いた空気が流れる別世界。清潔感のあるカウンターに腰を下ろし、職人さんの活気ある声を聞いていると、これから始まる出張への期待感が一層高まります。
「さて、今日の腹ごしらえは何にしようか…」
目の前のショーケースには、艶やかに輝く旬のネタがずらりと並んでおり、どれもこれも美味しそうで目移りしてしまいます。出張先では北海道の海の幸を存分に味わう予定ですが、出発前のこの一杯、いや、一貫もまた格別なのです。
まず最初に握ってもらったのは、美しい白身魚の握り。透き通るような身に、職人さんの丁寧な包丁捌きが光っています。シャリとのバランスも完璧で、口に入れると、白身魚特有の上品な甘みと、程よい歯ごたえがたまりません。わさびと醤油でシンプルに味わうことで、素材本来の旨みが最大限に引き出され、胃袋が優しく目覚めていくのを感じます。
隣には、見るからに新鮮な光り物の握りはイワシ。銀色に輝く皮目と、身のコントラストが美しい一貫です。光り物特有の豊かな風味と、身の締まった食感が特徴。薬味と共にいただくと、その旨みがさらに引き立ち、思わず目を閉じて味わってしまいます。
そして、カウンターの奥には、さらに美味しそうなネタの数々が控えているのが見えます。新鮮な赤身や、見るからに脂の乗った大トロ、輝くいくらやウニ、そして上品な玉子焼きなど、どれもこれもが、まさに「今日が旬」を主張しているかのようです。次は何を握ってもらおうかと、職人さんとの短い会話を楽しみながら、至福の時間を過ごします。
空港という場所柄、時間には限りがありますが、だからこそ、この限られた時間の中で、最高のお寿司を味わうことは、旅の満足度をぐっと高めてくれます。職人さんの手際の良い動きを見ているだけでも楽しく、一つ一つ丁寧に握られる様は、まさに日本の「食文化」を凝縮した芸術のようです。
美味しいお寿司を堪能し、お腹も心も満たされた後は、いよいよ搭乗口へ。札幌での仕事に向けて、しっかりとエネルギーをチャージすることができました。飛行機に乗る前から、こんなに美味しいものを食べられるのは、日本の空港ならではの贅沢かもしれません。
今回の札幌出張も、きっと充実した日々になることでしょう。その素晴らしい始まりを、羽田空港での絶品鮨ランチが飾ってくれたことに感謝です。皆さんも、フライト前にお腹を空かせているなら、ぜひ空港でのお寿司体験を試してみてください。きっと、その旅がより一層、思い出深いものになるはずです。
